【質問者】
飯田拓也 東京大学医学部形成外科准教授
【対側乳房形態のパラメーターを参考にして選択】
乳房再建は左右対称な乳房の獲得が目的のため,シリコンインプラント(以下,SBI)は基本的に対側乳房形態のパラメーターを参考にして選択します。幅と高さの計測は容易ですが,突出度の計測は時に困難なことがあります。具体的には,下垂が大きい症例やBMI高値で尾側胸部皮膚が厚い症例が該当します。定規を胸壁に対して垂直に押し当てて,乳房最突出部までの距離を内側/外側からの2方向において値が一致するように測定することを推奨します。容積については一部の施設で3D imagingを用いて測定が行われています。やや高価で入手困難であること,測定にやや熟練を要し,誤差を生じる可能性があることが問題点ですが,参考値としうると思います。
その他では,乳癌手術における切除検体重量も有用な参考値とすることができます。ただし,SBIは通常容積で選択されるため,検体重量を比重(約0.9g/cm3)を考慮して容積に変換する必要があります。
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