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好中球減少中の発熱に対する抗菌薬治療について

No.4997 (2020年02月01日発行) P.49

宇野俊介 (慶應義塾大学医学部感染症学)

倉井華子 (静岡県立静岡がんセンター感染症内科部長)

登録日: 2020-01-31

最終更新日: 2020-01-28

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  • 好中球減少中の発熱では,抗緑膿菌作用がある抗菌薬で治療を開始します。しかしその後,感染巣が判明したり原因微生物が確定した場合,好中球減少中でも抗緑膿菌作用のない抗菌薬へde-escalationを行うことは可能でしょうか。また,好中球減少中でも十分な期間治療を行って患者の状態が安定していれば,抗菌薬は中止してもよいのでしょうか。
    静岡がんセンター・倉井華子先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    宇野俊介 慶應義塾大学医学部感染症学


    【回答】

    【近年,好中球回復前に抗菌薬中止やde-escalationが可能であるとする研究が増えてきている】

    従来,発熱性好中球減少症(febrile neutropenia:FN)では,解熱し好中球回復後48時間まで抗菌薬を継続するプラクティスが行われてきました。近年,抗菌薬適正使用活動が進むにつれ,FNでのde-escalationや早期中止が検討され,欧州のガイドラインは「72時間以上抗菌薬を投与していれば,血行動態が安定しており,48時間以上無熱が続いていれば好中球数にかかわらず,抗菌薬中止が可能である」と記載がされるようになっています1)

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