5日前の夕方,デスクワーク中に急に臍部から右側腹部にかけての痛みを自覚し,改善しないため当科を受診した。痛みは坐位および前屈位で悪化し,立位で軽快するという。
既往歴は真性多血症。内服薬はバイアスピリン®100mg/日。喫煙歴は15本/日×25年間。
身体診察では,体幹に皮疹はなく,腹部に圧痛やアロディニアを認めない。Kempテスト※は陰性。痛みの分布を示す(図1)。坐位の姿勢のまま検者が上半身を持ち上げると腹痛は完全に消失する(図2)。
※:患者を立位とし膝を伸展したまま,他動的に体幹を後側屈させる手技。同側の神経根性疼痛が誘発されれば陽性。