7カ月前より両手指の動かしづらさを自覚。2カ月前から痛みが加わり,特に右手で物を掴めなくなった。NSAIDsは無効であり,整形外科や膠原病科などを経て当科を紹介受診した。朝のこわばりはない。
自動車部品を扱う仕事をしていたが症状のため休職中。
下剤乱用による低カリウム血症で2回の入院歴がある。
喫煙は20本/日×30年,飲酒は機会飲酒。
身体所見では,両手指と両足趾にばち指を認める(図1)。右手のFinkelstein test陽性で,徒手筋力テストでは,長母指外転筋4,短母指伸筋2,右長母指伸筋4であった。診察中に両下肢の脱力もあると訴えたために,床に手をついた状態から立ち上がらせたが,中腰姿位での保持どまりであった(図2)。
これまで種々の検査で明らかな異常を認めていない。