小さな子どもに対する性犯罪や、年々増加傾向にあるストーカー被害。警察の対応に批判が集まりがちなこうした事件の再発防止に、「加害者治療」の視点から取り組む。「加害者を治療しない限り、被害者が救われることはない」というのが、福井さんの信念だ。
福井県小浜市の公立小浜病院での勤務医時代に、ある性犯罪被害者に出会ったことが今日の活動の原点になった。その少女は、父親からの性的虐待で解離性同一性障害を発症。父親を問いただしたが、「娘に何をしようと勝手」と一蹴され、問題解決には至らなかった。父親に虐待の認識はなく、この出来事を通じて「加害者治療」の必要性を痛感したという。
その後、国立精神・神経医療研究センターなどへの勤務を経て、2010年、日本唯一の性犯罪加害者治療専門機関である、「NPO法人・性障害専門医療センター(SOMEC)」を設立。
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