今春、11年ぶりに改訂された厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針2014」。その改訂作業の座長を務めた。
2000年以降、睡眠不足が生活習慣病や精神疾患、産業上のヒューマンエラーの原因になることが科学的に明らかとなった。こうした知見を踏まえ指針は、心身の健康保持と眠気による事故防止のために良い睡眠という点に焦点を絞ってまとめた。「睡眠は日中をいきいきと活動するためにあり、睡眠自体が目的ではありません。ですから睡眠が健康や生活の質にどう貢献するかを軸に検討しました」
世界的な調査により、眠ることができる生理的な睡眠時間は加齢により減ることが分かっている。10代前半までは8時間以上、25歳で約7時間、45歳は約6時間半、65歳は約6時間だ。そのため指針では、勤労世代の睡眠不足や熟年世代の不眠などライフステージ別に睡眠の問題と対策をまとめた。
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