新型コロナウイルス感染拡大防止のため都内全域の飲食店に対し21時までの時短営業が要請されている中、厚生労働省老健局老人保健課の職員23人が3月24日に東京・銀座の居酒屋で深夜24時前まで送別会の趣旨で会食を行っていた事実が確認されたことを受け、同省は3月30日、関係職員の処分を発表した。
送別会を主催したとされる眞鍋馨老人保健課長は減給1カ月(10分の1)の上、30日付で大臣官房付に異動。課長補佐・係長・主査級14名に対しては訓告、主査級・係長級5名に対しては注意・指導(文書)とした。自治体・団体からの研修生3名は処分なしとした。
管理監督者の処分では、事務次官が厳重注意(文書)、老健局長が訓告とされた。田村憲久厚生労働相は給与2カ月分を全額自主返納する。
事実上の更迭となった眞鍋氏は東北大医学部出身の医系技官。保険局医療課企画官として2016年度診療報酬改定に携わり、老人保健課長として2021年度介護報酬改定を担当した。
田村厚労相は30日の記者会見で、「新型コロナ感染症を防ぐ立場であり、国民の皆様に生活の制約をお願いしている省でありながら、深夜24時前まで飲食をしていた。国民の皆様の信用を裏切る形になったわけであり、深くお詫びを申し上げる。二度とこのようなことがないようにしっかりと気を引き締めていく」と陳謝した。
厚労省の調査によると、職員5人以上による会食の事案として他に職業安定局建設・港湾対策室(3月24日、管理職を含め5名)、子ども家庭局保育課(3月25日、6名)の2件が確認。いずれも21時までには終了したという。
同省は30日付で全職員にメールし「歓送迎会等の会合は控え、自覚のある行動をとること」をあらためて周知した。