心停止蘇生後の予後は,救命の連鎖の達成によってもたらされることを意識する。つまり,心停止の早期認知と緊急通報の上,質のよいかつ絶え間ない胸骨圧迫と自動体外式除細動器(AED)による除細動を専門医に引き継ぐまで行う。
心肺蘇生術の実施が優先される。心肺蘇生術を行いながら,余裕があれば卒倒時の概要,既往歴,薬剤歴を目撃者や家族から聴取する。
患者が倒れたら,周囲の安全を確認し,以下の処置〔一次救命処置(BLS)〕を行う。
患者の肩をたたきながら大声で呼びかけて反応(手足の動き・発声)の有無を確認する。手足を動かす,または声を出せば「反応あり」と判断する。反応がなければ周囲に救援を求め,緊急通報(119番通報)とAEDの持参を依頼する。
胸部と腹部の動きを見て呼吸を確認し,同時に頸動脈を触知して脈拍を10秒以内に確認する。脈拍の有無を判断しかねる場合に,呼吸停止や死戦期呼吸を認めれば心停止と判断する。小児(1歳~思春期)では頸動脈または大腿動脈で,乳児(1歳未満)では上腕動脈で脈拍を確認する。
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