3種類の新型コロナワクチン(mRNAワクチン:2,ウイルスベクターワクチン:1)の臨床試験の結果2-1)〜3)について,日本感染症学会が有効性の概要をまとめている2-4)。
これらの臨床試験は,16歳あるいは18歳以上の者を対象として高齢者を含んで実施されており,いずれのワクチンも筋肉内注射で2回接種を行った。解析方法は,接種群と非接種群(プラセボを接種)における発症者数の比較である。発症予防効果に関して,ファイザー製mRNAワクチンは95.0%(95%信頼区間:90.3~97.6),モデルナ製mRNAワクチンは94.1%(95%信頼区間:89.3~96.8)という有効率であった。アストラゼネカ製ウイルスベクターワクチンは英国で実施した1回目低用量・2回目標準用量の接種様式では90.0%(95%信頼区間:67.4~97.0),英国とブラジルで実施した2回とも標準用量の接種では62.1%(95%信頼区間:41.0~75.7),両方を合わせた有効率は70.4%であった。