新型コロナワクチンに限らず,予防接種後には副反応が出現することがある。“免疫をつける”というワクチン本来の目的と異なる,私たちの身体に不都合な症状がみられた場合,これを「副反応」と呼ぶ(図1)。副反応の多くは軽症で経過し,後遺症を残すことなく治るが,稀に重篤な副反応が起こることもある。
ワクチンは個体に免疫反応を起こすことが目的であり,また製剤化に際して必要な添加物も含まれている。したがって,免疫反応自体あるいは添加物によって起こる症状をゼロにはできない。新型コロナワクチンに当てはめれば,接種部位の疼痛や発熱は“免疫反応自体に伴う副反応”,アナフィラキシーの原因がもしポリエチレングリコール(polyethylene glycol:PEG)であれば“添加物による副反応”と考えられる。
副反応は,その効果とともにすべてのワクチンが持つ宿命でもあるが,できる限りその頻度や程度を低くして安全な予防接種が実施できるように,努力が続けられている。