株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

痙性斜頸[私の治療]

No.5066 (2021年05月29日発行) P.43

榮森景子 (国立病院機構西新潟中央病院小児整形外科)

渡辺 慶 (新潟大学医歯学総合病院整形外科講師)

増田 浩 (国立病院機構西新潟中央病院機能脳神経外科)

登録日: 2021-05-30

最終更新日: 2021-05-25

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 頭頸部の筋緊張異常により頭位が偏位する疾患で頸部ジストニアとも呼び,大脳基底核を中心とする運動制御の神経回路異常による一次性,脳性麻痺や水頭症,大脳基底核疾患などの中枢神経疾患に合併・続発する二次性,向精神薬などによる薬剤性に分類される。頭位異常は患者によって異なり,頭部の回旋・前後屈・側屈などの様々な組み合わせの頭位異常と運動制限を呈するため,いわゆる“斜頸”とは限らない。しばしば筋緊張亢進による痛みや,振戦などの不随意運動を伴うこともある。一次性のものは中年期の発症が多いが,神経疾患に合併する二次性のものは小児期にも発症し,重症例では坐位保持困難や,嚥下機能の低下,上気道閉塞などの障害の原因となる。

    ▶診断のポイント

    既往歴と肉眼所見とで診断が容易な例が多いが,骨性斜頸や眼性斜頸等との鑑別は治療に直結するため,重要である。原因の鑑別として,頭頸部のMRI,CTなどの画像検査,薬剤の使用歴の聴取も必要である。治療の客観的評価方法としてはTsui変法scoreやTWSTRS(Toronto Western Spasmodic Torticollis Rating Scale)が汎用される。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    緊張亢進筋の弛緩による頭位の改善と疼痛の緩和を目的として治療を行う。

    残り1,542文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    長崎県五島中央病院

    勤務形態: 常勤
    募集科目: 整形外科 1名
    勤務地: 長崎県五島市

    当院は下五島地域唯一の基幹病院として、長崎大学病院等と連携しながら、五島で完結できる医療を目指しています。
    離島内の他の医療機関では出来ない高度・専門医療や離島で不足しがちな救急医療、周産期・小児医療、精神科医療、回復期医療を提供することで“郷診郷創”(地域での受診が地域を創る)を進めています。
    共に地域医療を担っていただける医師を募集しています。

    癌などの専門的治療の他、精神・結核などの政策医療、24時間2.5次救急にも対応しています。
    3次救急患者については、遠隔画像伝送システムを利用し、本土までヘリコプター搬送して住民の命を守っています。
    また、基幹型臨床研修病院として、研修医の受け入れも行っています。

    ロケーション的には、美しい海と豊かな自然に恵まれ、四季を通じて、マリンスポーツや釣りが楽しめます。
    ショッピング等については、中型・大型のスーパーが数店舗あり、ファミリーレストラン・コンビニエンスストアもありますので、基本的に不便を感じることはないと思います。
    食に関しては、五島牛や新鮮な魚介類、季節の旬な野菜が何時でもおいしく食べることができます。
    共に五島で働きましょう。

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top