「すみませんが,来月末で辞めたいと思います」
頼りにしていたスタッフに急に離職を切り出され,代わりのメンバーのあてもなく,慌ててしまう先生は多いことでしょう。今回は,医院・クリニックのスタッフに離職を切り出された際の対処についてお話しします。
日本看護協会の「2020年病院看護実態調査」1)によれば,正規雇用看護職員の離職率は11.5%と,前年度(2018年度)から0.8ポイント上昇しています(図1)。また,離職率20%以上の病院は21.2%と前年度から倍増するなど,増加傾向がみられます(図2)。
さらに病床規模別の離職率を見ると,正規雇用看護職員,新卒採用者,既卒採用者それぞれの離職率とも,「99床以下」「100~199床」の病院で高くなっています。特に「99床以下」の病院では,前年度から正規雇用看護職員が2.0ポイント,新卒採用者が3.5ポイント,離職率が上昇していることから,小さい医院やクリニックほど離職率が高くなる傾向がはっきりとうかがえます(表1)。