厚生労働省は6月9日、「令和3年度(2021年度)介護報酬改定に関するQ&A(vol.10)」を都道府県などに送付した。今回はLIFEへの情報提出が要件化されている「科学的介護推進体制加算」などで、サービス利用が一時中断した場合の取扱いなどを説明。中断期間が30日未満の場合は、サービス利用終了および開始時の情報提出は不要であることを示した。
「科学的介護推進体制加算」、「自立支援促進加算」、「褥瘡マネジメント加算」、「排せつ支援加算」では、サービスの利用開始時や終了時にLIFEに情報提出することが要件に定められている(終了時も必要なのは「科学的介護推進体制加算」のみ)。Q&Aは、利用者の入退院などでサービス利用が中断・再開した場合の対応を説明。それによると、サービス利用が30日以上ない場合はサービス利用終了時の情報提出が、その後、利用を再開した場合は利用開始時の情報提出がそれぞれ必要になるが、中断期間が30日未満の場合はいずれも必要ないとした。
「科学的介護推進体制加算」に関しては、サービス利用期間中の死亡の取扱いにも言及。この場合は、死亡した月の情報をサービス利用終了時の情報として提出する必要があるものの、死亡によって把握できない項目がある場合は、把握できた項目のみの提出でも差し支えないことを示した。
介護医療院や介護老人保健施設などの施設入所者の寝たきり予防・重度化防止を目的に創設された「自立支援促進加算」の運用も詳しく解説した。同加算では、算定要件として、医師の医学的評価に基づき、入所者ごとに自立に向けた「支援計画」を策定することなどが求められる。
Q&Aは、支援計画に沿ったケア提供時の留意点として、▶医学的な理由などでやむを得ない場合を除き、原則として全ての入所者がベッド離床や座位保持を行っている必要がある、▶多床室におけるポータブルトイレの使用は避けることが望ましい、▶入浴は全ての入所者が一般浴槽を利用していることが原則だが、やむを得ず特別浴槽を使う入所者がいる場合は、マンツーマンでの入浴ケアやプライバシーへの配慮など、個人の尊厳をより重視したケアを行う―ことなどを挙げた。