病院向け経営支援システムを提供するメディカル・データ・ビジョン(MDV)は、医療略語アプリ「ポケット・ブレイン」 β版をリリースした。ポケット・ブレインは、英字略語の日本語表示をメイン機能とし、収載略語数は8000語を超える。医療機関の全職種を想定ユーザーとしており、医学生や看護学生の臨床実習を支援する商品設計となっている。
ポケット・ブレインの特徴は、検索表示内容を診療科別、カテゴリー別に絞り込む機能を搭載し、ユーザーの使いやすさを追求している点。MDVはβ版による実用試験の結果を踏まえ、正式版の年内リリースを予定している。
多職種が連携して医療を提供するチーム医療がスタンダードとなった今、職種間情報共有の重要性が高まっている。一方、医師をはじめとする専門職が使用する英字略語表記は他職種にその意味が伝わりにくく、職種間の情報共有を妨げるケースがある。同社はこうした問題の解決に向け、ポケット・ブレインを開発。ユーザーが医療略語を読み解く負担や時間を軽減し、職種間の情報共有を円滑化することで職員の働き方改革や医療安全に貢献したいとしている。
「医師の長時間労働が問題になる中、医師は限られた時間内で、診療効率を上げることを求められています。そのためには医師でなくてもできる業務は他職種にサポートしてもらい、診療に集中する必要がありますが、現場ではそれが進んでいないのが現状です。その原因の一つに、カルテに書かれた略語が読めず『書類作成』『保険病名入力』などの補助ができないという問題がありました。このアプリによって、カルテを読みやすくし、医師の業務代行を進めて、医師の働き方改革を推進したいと思っています」