厚生労働省の「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ(WG)」は7月29日、初会合を開いた。医療計画の一部に位置付けられる両計画は、「第8次医療計画(2024~29年度)」と同様、2023年度中の見直しが求められる。この日のWGは、今後の進め方を協議し、まずは現状把握を行う方針が確認された。
厚労省はこの日のWGに、今後の検討課題と検討スケジュールの案を示し、大筋で了承された。それによると、地域医療構想に関しては、21年度から22年度前半にかけて、▶再検証対象医療機関(公立・公的436施設)における具体的対応方針の再検証状況の把握、▶民間医療機関も含めた再検証対象医療機関以外の医療機関における具体的対応方針の策定、▶新型コロナウイルス感染症への対応経験も踏まえた地域医療構想調整会議など、都道府県による取組みのあり方、▶積極的に検討・取組みを進めている医療機関・地域に対する支援のあり方―などを検討する。
このうち、再検証と具体的対応方針の策定期限は、新型コロナウイルス感染症への対応状況にも配慮しながら都道府県と協議し、具体的な工程を作成する考え。22年夏からは、25年以降を見据えた中長期的な枠組みの議論に移る。
医師確保計画では、まず、各都道府県における計画の策定状況や取組状況の21年度中の把握を目指す。22年の年明け以降は、医師確保計画策定ガイドラインの改正に向けて、▶医師偏在指標や医師多数区域・医師少数区域のあり方、▶医師の確保の方針や目標医師数のあり方、▶医師確保に向けた効果的な施策のあり方―などについての検討を重ね、22年末に取りまとめを行う。このほか、地域医療構想と医師確保計画に一体的に取り組むための具体的方策も、WGで議論する。
また同日のWGには、「病床機能再編支援事業」の交付実績も報告された。同事業は病床数の削減を伴う医療機関の統廃合などの財政支援を目的としたもの。20年度は33道府県の143医療機関に総額56.7億円が交付され、削減病床数は全体で2846床となった。病床数の増減の医療機能別内訳は、▶高度急性期8床増、▶急性期2404床減、▶回復期504床増、▶慢性期997床減、▶介護医療院への転換43床増。