【質問者】
植田明彦 熊本大学病院脳神経内科
【認知機能障害,脳卒中,歩行障害に加え,脊椎症も特徴的】
CARASILは,HTRA1の機能喪失変異が原因です1)。近年,ヘテロ接合性HTRA1変異でも脳小血管病を発症する例が報告されています2)3)。これらヘテロ接合性HTRA1関連脳小血管病例の臨床的特徴はCARASILに類似しますが,両者を比較すると以下の点で異なります。
①神経症状(認知機能障害,脳卒中または歩行障害)の発症年齢はより高齢である(54.1±11.4歳 vs. 29.5±5.5歳),②男性に多い(76.1% vs. 42.9%),③頭部MRI検査で認められる癒合性白質病変の頻度は低い(81.3% vs. 100.0%),④若年発症の禿頭の合併頻度は低い(13.2% vs. 85.7%),⑤脊椎症/腰痛の合併率も低い(60.0% vs. 100.0%)。
残り812文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する