株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

【他科への手紙】消化器外科→内科・外科

No.4818 (2016年08月27日発行) P.49

鬼塚伸也 (長崎みなとメディカルセンター市民 病院院長補佐/医療連携センター長)

登録日: 2016-09-16

最終更新日: 2017-01-20

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 近年の目覚ましい癌化学療法の進歩にもかかわらず、膵癌などの難治性癌の予後はいまだに改善されていません。私は1997年に、Folkman教授(当時)のもとで、膵癌細胞培養上清から新しい血管新生抑制物質であるビタミンD結合蛋白─マクロファージ活性化因子(Vitamin D binding protein-macrophage activating factor:DBP-maf)を単離しました。DBPの2つの糖鎖(ガラクトース、シアル酸)が切断されてDBP-mafになります。

    元来、DBPはビタミンD輸送という機能を持っていますが、DBP-mafに変化するとこの機能は失われ、血管新生抑制とマクロファージ活性化という2つの新たな機能を獲得します。これらの機能により癌の増殖を抑制し、癌を休眠状態(dormancy)に誘導することができたことから、このDBP-mafを用いて「癌を眠らせて癌とともに生きる」ことをめざした「癌休眠療法」が可能であると考えました。癌を消滅させるのではなく、癌の増殖を抑え、コントロールすることにより癌と共存し、QOLや予後の改善を図るという治療法です。

    残り747文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    関連求人情報

    関連物件情報

    もっと見る

    page top