7カ月前からの固形物の飲み込みづらさ,および2カ月前からの右肩甲骨あたりの背部痛で近医を受診し,頸椎症や線維筋痛症が疑われたが,背部痛が増悪したため当科を紹介受診した。
背部痛は深吸気を含む体動で増悪するが,疼痛による夜間覚醒はない。体重は2カ月で5kg減少した。
既往歴は高血圧。常用薬はシルニジピン。喫煙歴はない。
独歩でゆっくりと入室。表情は苦悶様。体温36.8℃,脈拍86回/分,血圧169/102mmHg,呼吸数18回/分。Th4/5の棘突起に叩打痛を認め,同レベルの肋骨を左右から圧迫すると背部痛が増悪する。腱反射は両下肢で亢進しているが,バビンスキー反射は陰性。感覚障害はみられない。
一般血液・生化学検査での異常値は,LD 310U/L,ALP 174U/L,Ca 11.1mg/dL(Alb 3.9g/dL),CRP 0.4mg/dL。
胸部X線写真(側面)を示す(図1)。