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形成外科における再生医療研究の役割について

No.5098 (2022年01月08日発行) P.48

清水雄介 (琉球大学大学院医学研究科形成外科学講座教授)

水野博司 (順天堂大学医学部形成外科教授)

登録日: 2022-01-08

最終更新日: 2021-12-28

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  • 近年,再生医療研究の重要性が増しています。形成外科において再生医療研究が果たす役割について,順天堂大学・水野博司先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    清水雄介 琉球大学大学院医学研究科形成外科学講座 教授


    【回答】

    【生体組織の再生修復を理解する上で再生医療研究の役割は大きい】

    組織や臓器の本来有する形態あるいは機能が何らかの理由で失われた場合,自家あるいは他家由来の細胞や,それらから細胞外へ放出される液性因子などを利用して,自らの持つ自己再生能力をうまく誘導する治療が「再生医療」であり,新しい医療として多くの臨床領域において非常に期待されています。

    形成外科領域においては,古くは広範囲熱傷に対する自家培養表皮移植術に始まり,近年では生体外で組織工学的に作成された3次元構造を有する再生軟骨組織を用いた唇裂外鼻変形に対する臨床研究,大量培養された自家耳介軟骨細胞により生体内で軟骨組織を再生させて耳介を再生させる小耳症手術など,多くの疾患に対する実用化が始まっています。

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