イラク、南スーダン、中央アフリカ、熊本、シエラレオネ。2013年から国境なき医師団(MSF)で精力的な活動を続ける。MSFの存在を知ったのは大学生の時だった。「将来的にはここで働こうと思っていたんですけど、勉強がすごく好きで。臨床も基礎研究も両方やりたくて、大学に残りました」。片手間で研究は難しい。2001年からは放射線感受性と遺伝子の関連性についての研究にも従事した。
“自主定年”したのは60歳になる少し前。やっぱり臨床が好き─。仕事はMSF一本に絞った。初めて参加したプロジェクトからは15年が経っていた。「当時は勤務先で国際医療の教育強化が図られ始めたことで活動に参加することができた。だけど、私がいない間はどうしても同僚にしわ寄せがいってしまう。結局、長期で行くことは厳しいということになりました」
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