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難治性潰瘍の通院治療 ─ 医療機関での治療と自宅での管理の連携 【創傷への除圧管理,適切な歩行指導,創傷管理方法の教育が必要】

No.4821 (2016年09月17日発行) P.65

田崎幸博 (北九州市立八幡病院形成外科主任部長)

寺師浩人 (神戸大学医学部附属病院形成外科教授)

登録日: 2016-09-21

最終更新日: 2016-10-19

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  • 高齢化や糖尿病患者数の増加に伴い,足などの難治性潰瘍の診療の機会も増えています。一方,潰瘍が完治するまで入院の継続が困難な医療の状況で,潰瘍が残ったまま通院治療に移ると,せっかくある程度改善した潰瘍が,次の外来時には悪化してしまいます。難治性潰瘍の通院治療について,医療機関でしておくべきこと,患者の自宅での管理方法について,神戸大学・寺師浩人先生のご教示をお願いします。

    【質問者】

    田崎幸博 北九州市立八幡病院形成外科主任部長


    【回答】

    2015年6月に発表された,政府の社会保障制度改革推進本部専門調査会の報告では,2025年までの10年間で全国の入院ベッド数を10%削減する方向が示されています。現在の135万床を115万床とし,加えて在宅医療を充実させることで入院期間短縮と医療費削減をねらっています。しかし,日本の人口は減少しているにもかかわらず,2025年までに75歳以上の人口は約500万人増加します。加えて糖尿病と動脈硬化疾患や透析患者の増加に伴い,下肢に慢性創傷を有する患者も増加します。したがって,下肢に慢性創傷を有する患者が長期間入院できなくなることが予想されます。

    (1)糖尿病性足潰瘍
    私たちは,糖尿病性足潰瘍を4つに分類する「神戸分類」を用いています。

    ・タイプⅠ:純粋な糖尿病性足潰瘍で神経原性潰瘍
    ・タイプⅡ:重症下肢虚血
    ・タイプⅢ:タイプⅠに感染した潰瘍
    ・タイプⅣ:タイプⅡに感染した潰瘍

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