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ICG蛍光造影法の形成外科領域における臨床応用

No.5107 (2022年03月12日発行) P.48

水野博司 (順天堂大学医学部形成外科教授)

東 隆一 (防衛医科大学校形成外科准教授)

登録日: 2022-03-10

最終更新日: 2022-03-09

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  • 近年,ICG蛍光造影法が様々な医療現場で使用されています。形成外科領域での具体的な活用法などについてご教示下さい。
    防衛医科大学校・東 隆一先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    水野博司 順天堂大学医学部形成外科教授


    【回答】

     【センチネルリンパ節検索,リンパ浮腫の診断,組織血流の評価,皮弁の血管茎検索】

    ICG蛍光造影法とは,インドシアニングリーン(ICG)を血管や組織内に注射し,近赤外線カメラでICGの蛍光を撮影する方法で,表面から約1cmまでの血管やリンパ管,リンパ節を観察することができます。

    1990年頃から眼底の検査ではICG蛍光撮影が行われていましたが体表の検査で広く使われるようになったのは,2005年浜松ホトニクス社の近赤外蛍光観察カメラシステム(PDE)の発売がきっかけです。PDEはもともと乳癌のセンチネルリンパ節同定に使われる想定で開発されましたが,その後皮膚や消化管,肝,脳など様々な臓器の観察に使われています。現在は手術用顕微鏡や内視鏡システムに組み込まれたものも販売されています。
    形成外科領域におけるICG蛍光造影法の用途について説明します。

    (1)センチネルリンパ節同定

    悪性黒色腫,メルケル細胞癌,乳房外パジェット病,有棘細胞癌で,腫瘍近傍の皮内に注射し,10分程度待って色素が集積したリンパ節を摘出し,病理検査します。放射性同位元素法と組み合わせて使うのが保険適用の条件です。

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