株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

生体吸収性ステントへの期待と課題 【マルチスライスCTでの評価のしやすさなどのメリットがあるが,第2世代薬剤溶出性ステントより血栓症の多い可能性も示唆】

No.4822 (2016年09月24日発行) P.56

掃本誠治 (熊本大学大学院生命科学研究部循環器内科学准教授)

田邊健吾 (三井記念病院循環器内科 冠疾患集中治療センター(CICU)部長)

登録日: 2016-09-23

最終更新日: 2016-10-18

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 2016年,生体吸収性ステント(bioresorbable vascular scaffold:BVS,スキャフォールド)がわが国で認可予定です。期待と課題などについて,三井記念病院・田邊健吾先生に解説をお願いします。

    【質問者】

    掃本誠治 熊本大学大学院生命科学研究部循環器内科学 准教授



    【回答】

    第1世代薬剤溶出性ステント(drug-eluting stent:DES)の弱点であった遅発性血栓症などの諸問題をいわゆる第2世代DESは軽減しました。さらに薬剤の塗布されていない金属ステント(bare metal stent:BMS)よりも血栓症が少ないことがメタ解析でも示されましたので,最新の欧州心臓病学会のガイドラインでは,第2世代D ESの使用が推奨されクラスⅠAとなっています。

    一方で,金属が生涯体内に残ることに起因する問題点は解決されたとは言えません。そこでデバイスそのものが消えてなくなる生体吸収性スキャフォールド(bioresorbable scaffold:BRS)が開発されたわけです。このBRSの中で,最も臨床データがあり,現在欧州で使用されているものが,Abbott Vascular社のBVSで,3年で溶けてなくなるとされています。

    以下,期待されているメリットをまとめてみます。

    残り1,007文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    公立小浜温泉病院

    勤務形態: 常勤
    募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・消化器外科 各1名
    勤務地: 長崎県雲仙市

    公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
    現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
    2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
    6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

    当病院は島原半島の二次救急医療中核病院として地域医療を支える充実した病院を目指し、BCR等手術室の整備を行いました。医療から介護までの医療設備等環境は整いました。
    2022年4月1日より脳神経外科及び一般外科医の先生に常勤医師として勤務していただくことになりました。消化器内科医、呼吸器内科医、循環器内科医及び外科部門で消化器外科医、整形外科医の先生に常勤医師として勤務していただき地域に信頼される病院を目指し歩んでいただける先生をお待ちしております。
    又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。透析数25床の能力を有しています。15床から開始いたしましたが、近隣から増床の要望がありお応えしたいと考えますが、そのためには腎臓内科(泌尿器科)医の先生の勤務が必要不可欠です。お待ちいたしております。

    ●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
    今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問看護、訪問介護、訪問診療体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top