厚生労働省が8月17日の社会保障審議会医療部会に報告した「医師の働き方改革の施行に向けた準備状況調査」の結果によると、大学病院ではほぼすべての施設が勤務医の自院における勤務実績や副業・兼業先の勤務予定・実績を把握。副業・兼業先も含めた年間の時間外・休日労働時間数が1860時間を超える大学病院勤務医は全体の2.4%だった。
同様の調査は今年3、4月にも行われているが、その際、副業・兼業先を含む時間外・休日労働時間を把握していた大学病院が82施設中20施設にとどまったため、大学病院だけを対象に改めて調査を行うことになっていた。
今回の調査は5月25日〜7月8日の間に、大学病院本院と防衛医科大学病院(82施設)の2803診療科を対象に実施。すべての施設と診療科が回答した。
結果を見ると、時間外・休日労働時間数の把握状況では、全診療科が自院の勤務実績と副業・兼業先の勤務予定を把握。副業・兼業先の勤務実績についても90%の診療科が把握できていた。また、これら診療科に所属する医師4万3718人(臨床研修医を除く)のうち、副業・兼業先を含む時間外・休日労働時間数が年通算で1860時間相当超の医師は1034人(2.4%)だった。
調査結果について部会では、年間の時間外・休日労働が1860時間を超える医師が2.4%という結果はにわかに信じ難いとする懐疑的な意見がある一方、大学病院勤務医の意識改革や行動変容が起きた結果ではないかと好意的に受け止める声もあった。