厚生労働省の「母子健康手帳、母子保健情報等に関する検討会」(座長:岡明埼玉県立小児医療センター病院長)は9月20日、母子健康手帳の見直しについて中間報告書を取りまとめた。これを受け、厚労省は母子健康手帳の様式改正を進め、2023年度から新様式の手帳を各市町村で交付する方針だ。
中間報告書は、子どもの成長発達の目安の記載項目について「両親が不安にならないよう注釈を追加する」とともに、「保護者の気づきや子どもの成長発達に関する理解に資するか、不安につながらないか」「関係者による適切な支援・指導につなげられるか」などの考え方で追加する項目を整理すべきとした。
厚労省は9月15日の検討会に提出した様式改正のイメージで、成長発達の目安について「2週間頃」から「寝かせるときは、あお向けに寝かせていますか」「保護者ご自身の睡眠で困っていることはありますか」、「3~4カ月頃」から「お子さんの睡眠で困っていることはありますか」、「2歳の頃」から「テレビやスマートフォンなどを長時間見せないようにしていますか」などの項目を追加する考えを示している。
中間報告書には、①子育て世代包括支援センター等に相談するよう促す記載を追加する、②産後ケア事業に関する記録欄を追加する、③父親や家族が記載する欄を増やす─などの方針も盛り込まれた。
検討会では「母子健康手帳」の名称も議論となり、「父親の育児参加の観点から変更すべき」との意見と「現在の名称が定着していることから変更すべきでない」との意見の両論が出されたが、最終的に名称変更はしないことが適当との結論に達した。