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両下肢しびれと運動時の右下肢脱力を主訴に受診した50歳男性[キーフレーズで読み解く 外来診断学(277)]

No.5136 (2022年10月01日発行) P.1

監修: 生坂政臣 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

藤井啓世 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

田村弘樹 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

横川大樹 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

上原孝紀 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

登録日: 2022-09-29

最終更新日: 2022-09-28

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10年前より駆け足中に右下肢脱力を自覚し,7年前から歩行にも支障が出始めた。3年前からは手で右足を持ち上げて階段を昇るようになり,さらに左下腿にも全周性のしびれが出現した。6カ月前には右足部のしびれも加わり,転倒するようになった。複数の整形外科や脳神経内科で精査され,原因不明のため当科を紹介受診した。

右下肢の脱力は入浴や飲酒のほか,歩行距離に応じて悪化し,立位および坐位での休息で短時間に回復するが,痛みは出現しない。ただし,首の前屈で右下肢痛が誘発されるという。

既往歴,常用薬はない。喫煙は10本/日,機会飲酒。

神経学的診察で,右下肢優位の痙性歩行。両側の膝蓋腱・アキレス腱反射の亢進,右Babinski徴候,左下腿以遠の触温痛覚低下,およびRomberg徴候を認める。一般血液・生化学検査に異常なし。腰椎MRIを示す(図1)。

研修医の診断:腰部脊柱管狭窄症

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