エーザイは9月28日、開発中のアルツハイマー病(AD)疾患修飾薬レカネマブについて、早期ADを対象としたグローバル臨床第3相試験(Clarity AD)で主要評価項目を達成したと発表した。エーザイは「2023年中のフル承認」を目指し、日本・米国・欧州で2022年度中に承認申請を完了させる方針だ。
レカネマブは、アミロイドβ(Aβ)の脳内異常蓄積がADの原因の1つとする「Aβ仮説」に基づいて開発されているAβ凝集体(プロトフィブリル)抗体。神経毒性を有するAβプロトフィブリルを除去することでADの病態進行を抑制する疾患修飾作用が期待されている。
エーザイによると、早期AD(MCI+軽度AD)当事者1795人を対象としたClarity AD試験で、レカネマブ投与群は、主要評価項目である「投与18カ月時点のCDR-SB(認知症の幅広いステージの重症度を評価するスケール)の変化量」でプラセボ群と比較して27%(‒0.45)の悪化抑制を示し、また、すべての重要な副次評価項目で高度に有意な結果を示したという。
同社の内藤晴夫CEOは「Aβ仮説を臨床試験で証明することとなり、今回の試験結果がADの診断・治療の充実、様々な治療オプションの開発の活発化など新たな地平を拓くことにつながると期待している」とコメントしている。
エーザイのADパイプライン(レカネマブを除く)
①E2814(抗MTBRタウ抗体):第1b/2相試験中
②E2511(TrkA結合シナプス再生剤):第1相試験中
③E2025(抗EphA4抗体):第1相試験準備中
④E2086(オレキシンアゴニスト):第1相試験準備中
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