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アスリートに対する腰椎疾患の診断・治療におけるトピックスについて

No.5147 (2022年12月17日発行) P.55

立石智彦 (同愛記念病院整形外科)

西良浩一 (徳島大学医学部整形外科教授)

登録日: 2022-12-19

最終更新日: 2022-12-13

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  • アスリートに対する腰椎疾患(椎間板ヘルニア・分離症)の診断・治療におけるトピックスを教えて下さい。徳島大学・西良浩一先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    立石智彦 同愛記念病院整形外科


    【回答】

     【joint by joint theoryとactive corrective approachで早期復帰をめざす】

    アスリート腰部障害の治療原則は,joint by joint theory(JBJT)とactive corrective approach(ACA)です。まずJBJTに従い,腰部体幹はコアトレーニングにより安定化を図ります。また,隣接の胸椎・胸郭および股関節周囲の可動性を増加させ,腰部を護ります。ACAでは機能不全に陥った腰部周囲の関節を評価し,それを改善します。たとえば,肩関節が硬い選手の場合,肩の硬さを補うために腰部で代償動作があり,それによる腰痛が生じます。その場合,肩を治療しないと腰痛は完治に至りません。ACAでは腰痛の原因である,腰以外の機能不全を見つけ,それを修正します。

    腰椎椎間板ヘルニアの運動療法の肝は,椎間板内圧を下げながら腰部体幹を安定化させることです。その目的には,ピラティスのエロンゲーションが適しています。さらに,腰部を安定化させた状態で隣接の胸郭と下肢の分離・分節運動を修得させることで,疼痛のない状態での復帰が期待できます。

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