日本乾癬学会、日本乾癬患者連合会と製薬企業7社は5日に開いたセミナーで、関節症性乾癬の認知度が医師、患者ともに低いことを指摘した。関節の機能障害が進行する前の治療が求められることから、「皮膚科医や整形外科医、リウマチ医と患者は問診時の情報共有が大切」と訴えた。
講演した奥山隆平氏(信州大皮膚科、写真左)は、「2002年には、乾癬患者のうち関節症性乾癬の患者は1%程度とされていたが、比率は年々上昇し、最近のデータでは5~15%前後。稀とはいえず、注意して診療すべき」と強調した。患者数増加の背景として、啓発活動等で関節症性乾癬の認知度が向上して診断がつくようになったと説明。しかし、医師、患者双方で認知度はまだ不十分として「患者が皮膚科で関節症状を訴えることは少ない。医師は問診で情報を引き出すことが必要」と指摘した。
一方、岸本暢将氏(聖路加国際病院、写真右)はリウマチ医の立場から「リウマチ医が皮膚疾患を診ることは困難。関節痛を訴える乾癬患者全てが関節症性乾癬とは限らない」として、診療科の連携の重要性を訴えた。