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(3)カンジダ血症のマネジメント [特集:侵襲性カンジダ症の病態と治療]

No.4825 (2016年10月15日発行) P.41

宮崎泰可 (長崎大学大学院医歯薬学総合研究科感染免疫学講座臨床感染症学講師)

登録日: 2016-10-17

最終更新日: 2016-10-18

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  • 血液培養2セット(好気・嫌気培養)と中心静脈カテーテル先端の培養も行う

    眼病変や心内膜炎,肝脾膿瘍など播種性病変の有無を確認する

    可能であれば,早期に中心静脈カテーテルなどの血管内デバイスを抜去する

    併用薬,血管内デバイスや播種性病変の有無,重症度や基礎疾患,原因菌種などを総合的に勘案して治療薬を選択する

    治療開始後も血液培養のモニタリングが必要である

    カンジダ血症に起因する症状の改善と血液培養の陰性化を確認した後,2週間の抗真菌薬投与を行う。播種性病変を有する場合は,さらに長期間の治療を要する

    臨床経過や原因菌種の抗真菌薬感受性,腸管機能に問題がなければ,アゾール系経口薬へのstep-down治療を考慮する

    1. 診断のコツとピットフォール

    好中球減少や広域抗菌薬の使用,複数箇所に及ぶカンジダのコロニゼーション,腹部外科手術後,血液透析,ICU入院中などのリスク因子を有する患者で,広域抗菌薬不応性の発熱を認める場合には,積極的に侵襲性カンジダ症を疑い,血液培養や血清学的検査,画像検査などを行う(表1)。


    まずは,抗真菌薬投与前に,少なくとも2セットの血液培養検体を採取する。C. glabrataは嫌気培養のみで検出されることもあるため,好気・嫌気培養の両方を行う。中心静脈カテーテル留置患者では,カテーテルと末梢から採血し,血管内留置カテーテルを抜去する際には,カテーテル先端の培養も行う。β-D-グルカン測定は補助診断法として有用であるが,本症に特異的な検査ではない。カンジダマンナン抗原は,感度・特異度が十分でなく有用性に乏しい。
    血液培養でカンジダ属が検出されれば確定診断となるが,感度は高くないため,本症を疑う場合には繰り返し施行する必要がある。菌が検出されれば,菌種の同定と抗真菌薬感受性試験を行う。眼病変や心内膜炎などのカンジダ血症に伴う播種性病変は,治療薬の選択や治療期間にも影響を及ぼすため,積極的に検査を行うべきである。したがって,すべてのカンジダ血症患者に対して早期(治療開始後1週間以内)に,眼科医による散瞳下精密眼底検査を施行する。ただし,好中球減少時には明らかな眼内炎徴候を認めない場合もあるため,好中球数が回復してからの再検査も必要である。心内膜炎に関しては,まず経胸壁心臓超音波検査を施行し,状況に応じて経食道心臓超音波検査も検討する。

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