株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

アキレス腱断裂[私の治療]

No.5156 (2023年02月18日発行) P.46

高尾昌人 (重城病院CARIFAS足の外科センター所長)

登録日: 2023-02-17

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 人口10万人当たり6.3~37.3人に発生し,近年は増加傾向にあると言われる。受傷好発年齢は30~40歳代であり,50歳以上の年齢層にもう1つ小さなピークがある。若年層ではスポーツによる受傷が多く,種目別にはバドミントン,バレーボール,サッカー,テニスなどの球技およびラケット競技での発生頻度が高い。高齢層では日常活動中の受傷が多い。腱の退行性変化の存在を示唆するアキレス腱の肥厚や,シプロフロキサシン等のフルオロキノロン系抗菌薬の内服は,アキレス腱断裂の危険因子とされる。

    ▶診断のポイント

    アキレス腱断裂は,病歴と理学所見により比較的容易に診断できる。患者は受傷時に下腿後面に断裂音を自覚したり,棒で殴られたり,誰かに蹴られたように感じたと訴えることが多い。後脛骨筋,足底筋,長母趾・長趾屈筋により,足関節の底屈や歩行は可能であるものの爪先立ちは不能となる。理学所見では,足関節背屈角度は増大し,足関節底屈筋力は低下する。断裂部には陥凹を触れ,Simmonds Thompson squeeze testが陽性となる。超音波検査は,断裂部の位置や性状を正確に把握できるだけでなく,治癒過程を経時的に追うことができる利点を有する。

    残り1,637文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    長崎県五島中央病院

    勤務形態: 常勤
    募集科目: 整形外科 1名
    勤務地: 長崎県五島市

    当院は下五島地域唯一の基幹病院として、長崎大学病院等と連携しながら、五島で完結できる医療を目指しています。
    離島内の他の医療機関では出来ない高度・専門医療や離島で不足しがちな救急医療、周産期・小児医療、精神科医療、回復期医療を提供することで“郷診郷創”(地域での受診が地域を創る)を進めています。
    共に地域医療を担っていただける医師を募集しています。

    癌などの専門的治療の他、精神・結核などの政策医療、24時間2.5次救急にも対応しています。
    3次救急患者については、遠隔画像伝送システムを利用し、本土までヘリコプター搬送して住民の命を守っています。
    また、基幹型臨床研修病院として、研修医の受け入れも行っています。

    ロケーション的には、美しい海と豊かな自然に恵まれ、四季を通じて、マリンスポーツや釣りが楽しめます。
    ショッピング等については、中型・大型のスーパーが数店舗あり、ファミリーレストラン・コンビニエンスストアもありますので、基本的に不便を感じることはないと思います。
    食に関しては、五島牛や新鮮な魚介類、季節の旬な野菜が何時でもおいしく食べることができます。
    共に五島で働きましょう。

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top