No.5158 (2023年03月04日発行) P.52
中西美保 (滋賀医科大学麻酔学講座学内講師)
中本達夫 (関西医科大学麻酔科学講座教授 (区域麻酔担当)/ 関西医科大学附属病院痛みセンター センター長)
登録日: 2023-03-01
最終更新日: 2023-02-28
【質問者】中西美保 滋賀医科大学麻酔学講座学内講師
【膝神経への高周波や凍結,電気刺激による治療が注目されている】
変形性膝関節症〔膝OA(osteoarthritis)〕に代表される慢性変性疾患は,5~10年の長期にわたる経過の中で進行しますが,患者にとっての主たる問題は痛みと関節変形・筋拘縮に伴う可動域制限です。これらに対する治療として,大きく薬物療法と運動療法やインターベンショナル治療を含む非薬物療法,そして手術療法があります。初期であれば運動療法と薬物療法,その後はヒアルロン酸関節内注射,さらに痛みや関節変形が強くなってくれば,骨切り術や人工関節置換術などの外科的治療が選択されることが一般的です。
実際にはこの治療経過中に痛みのコントロールが必ずしも良好でなく,膝関節の屈曲拘縮やO脚変形が進展していく症例は少なくありません。そして,外科手術によってアライメントは良くなるものの,拘縮は残存することも少なくありません。
また,一定の割合で,膝関節手術後の遷延性創部痛により期待されたほどの可動域が得られない症例も存在します。
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