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左下腹部痛を主訴に受診した81歳男性[キーフレーズで読み解く 外来診断学(287)]

No.5158 (2023年03月04日発行) P.1

監修: 生坂政臣 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

佐藤瑠璃香 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

山内陽介 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

横川大樹 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

上原孝紀 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

登録日: 2023-03-02

最終更新日: 2023-03-01

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10年前より左下腹部の圧迫感と痛みを自覚し,複数の医療機関で精査を受けるも原因は不明だった。5カ月前の造影CTでようやく左腸恥滑液包の液体貯留を指摘され,ロキソプロフェン内服を開始したが,症状の改善を認めないため当科を紹介受診した。

夜間に臥床し1時間ほど経つと左下腹部の圧迫感と疼痛が出現する。毎夜中途覚醒し,腹筋運動,鉄アレイを使った上肢の運動やトイレに行くため立ち上がることで症状は改善する。さらに腹臥位になり硬めの枕で左下腹部を圧迫したり,パジャマが擦り切れるほど強くさするといった対処を日常的に行っていた。日中に症状はない。

既往歴に特記事項なく,睡眠導入剤は内服していない。毎日ゴルフの練習を楽しんでいる。

身体所見では左下腹部の皮膚に褐色の色素沈着を認めた(図1)。腹部に明らかな圧痛はない。一般血液・生化学検査は正常範囲。腹部造影CT(図2)を示す。

研修医の診断:前皮神経絞扼症候群(ACNES)

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