▶高所転落に代表される高エネルギー外傷による腰痛の鑑別としては,脊椎破裂骨折と不安定型骨盤骨折を見逃さないようにしましょう。破裂骨折は椎体後壁の骨折を伴う椎体骨折のことです。3-column theory(椎体前方,椎体後方,椎弓より後方の3パートの内2つ以上に骨折があると不安定骨折と判断する)で,椎体骨折の安定性を考えることが大切です。後壁の骨折を見つけるためには,CTを活用するとよいでしょう。
▶骨盤骨折に関しては,前方成分・後方成分の両方に骨折があるものは不安定骨折と判断します。特に後方成分については,仙骨や第5腰椎横突起の骨折を見逃すこともしばしばありますので注意深く画像所見を読影しましょう。
▶腰椎横突起には大腰筋や腰方形筋が付着しており,強い外力により筋肉が無理に捻られると横突起が骨折することがあります(腰椎横突起骨折)。