IgE依存性(即時型症状,食物依存性運動誘発アナフィラキシー,口腔アレルギー症候群等)と非IgE依存性(食物蛋白誘発胃腸症等)に大別される。鑑別として,乳糖不耐症やヒスタミン中毒等がある。
臨床型分類と好発年齢の関係,摂取からの時間と症状,頻度の高い原因食品が重要である。
発症時期,摂取食品,「湿疹」の増悪が摂取およそ半日後か,再現性を確認する。1~2週間の除去試験で湿疹が改善する場合は,診断確定目的でさらに1~2週間の再負荷試験を行う。単回負荷では偽陽性が多い。
原因のメカニズムは不明だが,IgEには依存せず,血液検査等のマーカーは確立されていない。摂取1~4時間後の嘔吐や下痢,血便,さらに,長期の場合は体重増加不良で疑う。近年,卵黄を原因とする報告が増えている。
摂取2時間以内の「膨疹」や咳嗽等の症状の有無を聴取する。症状は1~2時間で消退することが多く,半日続く場合は即時型反応以外を考慮する。木の実類や落花生は,卵・牛乳・小麦についで原因となり,菓子類やドレッシングなど多くの食品に利用されているため,原材料を確認する必要がある。
摂取15分以内に口腔周囲に即時型症状を呈し,15分後にピークとなり,60分ほどで消退する。ハンノキ花粉症が原因で生のバラ科果物,イネ科やキク科花粉症が原因で生のキウイやメロン・スイカで症状が誘発される。症状は口腔周囲に限局するため,必ずしも除去しなくてよい。
原因食品を摂取し運動すると,即時型症状を呈する。小麦や甲殻類が多いとされるが,近年は果物の報告が多い。系統の異なる果物(例:バラ科のモモとリンゴ以外に柑橘類・ブドウ等)で症状を呈し,一見共通食物がわからないこともあるため,注意が必要である。
検査:特異的IgE抗体の存在は,血液での特異的IgE抗体検査や皮膚プリックテストで確認できる。ただし,必ずしも「感作」=「症状を誘発する」とは限らないため,結果の解釈は慎重にすべきである。食物摂取による明らかな誘発症状の病歴と,検査結果に整合性がある場合は,診断目的のみの食物経口負荷試験(OFC)は必ずしも必要ではない。食物蛋白誘発胃腸症は,病歴もしくはOFCで診断する。
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