日本人間ドック学会と健保連が先月発表した「新たな健診の基本検査の基準範囲」案に対し、臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR、桑島巖理事長)が見解を発表した。
健診基準案について「2011年に人間ドックと健診を受けた人のデータから、その時点で健康と考えられる人の分布範囲を示したもの」と評価し、「将来の脳卒中や心筋梗塞などの発症の可能性に対する安全基準に言及した数値ではない」と指摘。
さらに、日本動脈硬化学会や日本高血圧学会が発表しているコレステロールや血圧の基準値について「脳卒中や心筋梗塞などの発症予防のための基準値であり、世界や日本で行われてきた一般住民の科学的な長期的追跡調査の結果から導きだされたもの」と紹介。その上で、単年度の分布範囲から将来の心血管疾患の発症を予測する数値は求められないと指摘した。
また、メディアに対しても「あたかも健康基準を緩和したかのような事実誤認の表現が一部にある」とし、科学的根拠に基づく正確な報道を求めている。