在宅患者の「食べたい」という意志を大切にして,終末期に受けたい医療・ケアにつながる時期に絶食とせず,亡くなるまで口から食べることを支援する取り組みは「食支援」と呼ばれ,近年注目されています。
高齢者が誤嚥性肺炎で入院すると,治療の過程で絶食,人工栄養となることがあります。こうした患者は肺炎が治った後も,再発予防のために絶食指示が続き,亡くなるまで口から食べられないケースが少なくありません。安易に絶食にして,再発予防のために患者の「食べる権利」を奪ってもよいのかという視点も考える必要があると思います。