感染症危機管理統括庁が9月1日発足したことに合わせて、新型インフルエンザ等対策推進会議の新たな委員が委嘱された。推進会議の前身である新型インフルエンザ等対策有識者会議以来、11年にわたり議長を務めてきた尾身茂氏(結核予防会理事長)や脇田隆字氏(国立感染症研究所長)らが退任し、新たに五十嵐隆氏(国立成育医療研究センター理事長)や大曲貴夫氏(国立国際医療研究センター国際感染症センター長)らが加わった。近く初会合を開き、議長を互選する。
また、これまで推進会議の下に4分科会が置かれていたのを廃止して、推進会議本体で審議を行っていくことになった。委員の数もこれまでの35人体制から15人体制にかなり縮小された。
後藤茂之感染症危機管理担当相は8月26日の会見で、新型インフルエンザ等対策推進会議令の改正が閣議決定されたことを報告。分科会の廃止や新しい委員の委嘱などを発表した。推進会議の体制が小ぶりになったことについては「ダウンサイジングしているのは事実だが、これは今後の推進会議を全体として俯瞰的、総合的に進めていくことを前提としての対応」と説明。尾身氏の退任については「これまで本当にその御尽力、御功績には感謝している。今回の交代については、尾身先生とも事前に相談した上で対応している」と謝意を表明した。
五十嵐隆(国立成育医療研究センター理事長)、稲継裕昭(早稲田大学教授)、大曲貴夫(国立国際医療研究センター国際感染症センター長)、釜萢敏(日本医師会常任理事)、河岡義裕(東京大学国際高等研究所新世代感染症センター機構長)、工藤成生(日本経済団体連合会危機管理・社会基盤強化委員会企画部会長)、幸本智彦(東京商工会議所議員)、齋藤智也(国立感染症研究所感染症危機管理研究センター長)、滝澤美帆(学習院大学教授)、中山ひとみ(霞ヶ関総合法律事務所)、奈良由美子(放送大学教授)、前葉泰幸(三重県津市長)、村上陽子(日本労働組合総連合会副事務局長)、安村誠司(福島県立医科大学理事兼副学長)。(他に都道府県知事が委員に就任予定)