社会保障審議会介護給付費分科会は12月27日に持ち回りで開いた会合で、2024年度予算編成過程の大臣折衝で決定した介護老人保健施設等の多床室への室料負担導入や、介護保険施設における居住費の基準費用額引き上げについて、厚生労働省から報告を受けた。
新たに室料負担が導入されるのは、①Ⅱ型介護医療院、②「その他型」と「療養型」(転換型)の老健―の多床室の入所者。いずれも、1人当たりの居室面積が8平方メートル以上の場合が対象になる。
これら施設は生活の場として機能している実態があり、在宅で生活する要介護高齢者と負担の公平性を図る必要があると判断した。同様の利用実態がある介護老人福祉施設の多床室についてはすでに室料負担が導入されている。
室料負担の額は月8000円相当とし、利用者負担第1〜3段階(生活保護受給者や市町村民税非課税世帯等)の利用者については、補足給付によって利用者負担が増加しないような配慮措置を講じる。施行時期は2025年8月とする。
一方、介護保険施設における居住費の基準費用額は、近年の光熱水費の高騰を踏まえ、1日当たり60円の引き上げを行う。その際、従来から補足給付の仕組みで負担限度額が0円となっている利用者負担第1段階の多床室利用者(生活保護受給者と世帯全員が市町村民税非課税の老齢福祉年金受給者)については、利用者負担が生じないようにする。施行時期は24年8月から。