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特集:専門医へつなぐ食物アレルギー診療

No.5204 (2024年01月20日発行) P.18

田中裕也 (たなか小児科アレルギー科院長)

登録日: 2024-01-19

最終更新日: 2024-01-16

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2005年3月岡山大学医学部医学科卒業。同年4月倉敷成人病センター初期研修医。2007年4月兵庫県立こども病院小児科専攻医。2008年4月兵庫県立塚口病院小児科。2009年4月兵庫県立こども病院アレルギー科フェロー。2011年4月神戸市立医療センター中央市民病院小児科。2019年4月兵庫県立こども病院アレルギー科。2022年10月より現職。

1 食物アレルギーの予防

・乳児期の湿疹をスキンケアで十分にコントロール。
・離乳食開始時期を遅らせない。

2 食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎

・最初に行うのはステロイド外用薬を用いた標準的なスキンケア。
・上記で改善が得られない場合にアレルギー検査を行い,原因食品の除去で症状の改善を確認する。

3 即時型食物アレルギー

・必要最低限の除去=的確な診断。
・除去すべき食品は除去し,必要な栄養摂取を確保する。
・アレルギー症状時対応。
・学校園での除去指導・指示。
・耐性獲得のための可能な限りの摂取。
・他のアレルギー疾患のコントロール。

4 専門医へ紹介するタイミング

・高リスク症例(アナフィラキシー既往がある,感作が強い:クラス2以上)。
・複数抗原へのアレルギーがある症例。
・5歳以上の鶏卵・牛乳・小麦アレルギー(自然寛解が期待できず,経口免疫療法など専門的なマネジメントが必要となる場合がある)。
・食物依存性運動誘発アナフィラキシーや乳幼児消化管アレルギーについては,疑いがあれば専門医への紹介が望ましい。

1 食物アレルギーの総論

食物アレルギーとは「食物によって引き起こされる抗原特異的な免疫学的機序を介して生体にとって不利益な症状が惹起される現象」1)と定義される。

(1)分類(表1)2)

食物アレルギーには臨床型分類があり,IgE依存性と非IgE依存性に大別される。一般的に食物アレルギーといえばIgE依存性であり,乳児期によくみられる即時型食物アレルギーと,食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎は重要である。一方,食物依存性運動誘発アナフィラキシー(food-dependent exercise-induced anaphylaxis:FDEIA)や口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome:OAS)は学童期以降に好発する。非IgE依存性には新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症が分類される。

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