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リハビリ見直し、通所・訪問の一体化が論点に - 2015年度介護報酬改定 [介護給付費分科会]

No.4716 (2014年09月13日発行) P.7

登録日: 2014-09-13

最終更新日: 2016-11-17

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【概要】次期介護報酬改定の審議は総論の議論が終了。今後は12月中旬の取りまとめに向けた議論が本格化する。在宅を中心に、これまでに厚労省が示した主な論点を振り返る。


在宅高齢者に向けたサービスの中で大きく変わるとみられるのが、通所と訪問のリハビリテーションだ。より効果的なリハビリのあり方や、居宅系サービス全体の中での位置づけを検討するため、厚労省は近く新たな会合を立ち上げて集中的な審議を行い、次期改定に反映するとしている。在宅高齢者のリハビリについては、機能回復訓練による「心身機能」へのアプローチだけでなく、ADL・IADLを高める「活動」、社会参加を促す「参加」といった要素にも働きかけることが重要との指摘がなされている。
居宅系サービスは訪問看護等の訪問系サービスと通所介護等の通所系サービスに分かれるが、両者の連携を強化する方針も示された。論点には訪問系サービスと通所系サービスを「一体的・総合的に捉えた機能分類や評価体系が必要」と明記されている。

●介護でも同一建物の引下げ拡大の議論
在宅高齢者に設定されている区分支給限度額では、最近の介護報酬改定で導入された「定期巡回・随時対応」「小規模多機能型居宅介護」「複合型」といったサービスの普及を目指す上でどう見直すかが論点。これらのサービスは車椅子など一般的なサービスを利用すると限度額を超えることがあり、他のサービスとの併用が困難との指摘がある。
一方、介護施設については利用者の中重度化にどう対応するかといった論点が目立つ。介護老人福祉施設は、特別養護老人ホームの新規入居者が原則要介護3以上に限定されることを踏まえた医療提供体制や報酬上の評価、多床室の利用者負担が論点だ。
注目すべき点としては、2014年度診療報酬改定で同一日同一建物の訪問診療時の点数が大幅に引き下げられたことから、介護保険でも同一建物でサービスを提供した際の報酬を減らす仕組みを拡大すべきかが論点に盛り込まれた。このほか、2017年度末までに廃止が予定されていた介護療養病床については、「現在担っている機能は今後も確保が必要」と、何らかの形で存続させる方針が明示された。

●人材確保、処遇改善加算が焦点
すべてのサービスに関わる検討テーマとしては、地域区分や人材確保対策がある。
地域区分は人件費などの地域差を介護報酬に反映させるための仕組み。現行の7区分を8区分に増やし、地域別の割り増し率も変更する方針が了承された。現行の地域区分と変更後の比較は別掲の通り。
人材確保対策は、前回改定で「例外的かつ経過的な取扱い」として創設された介護職員処遇改善加算を継続するのか廃止するのかが焦点だ。

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