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集患対策,どうするか?[クリニック経営戦略「お悩み相談室」(第1回)]

No.5214 (2024年03月30日発行) P.50

監修: 小松大介 (株式会社メディヴァ・コンサルティング事業部長)

執筆: 越路公雄 (株式会社メディヴァ・コンサルティング事業部)

登録日: 2024-04-01

最終更新日: 2024-03-29

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質問
内科診療所を開業して3年経過しました。2年目までは順調に患者数も売上も伸びてきていましたが,最近患者数が伸びず,やや減っている月も出てきました。患者数をどう伸ばしていけばよいでしょうか。

回答
開業後数年で患者数が伸び悩んでいるという課題でお困りの診療所です。集患については,

1. 初診と再診にわけてとらえ,どちらに(あるいは両方に)課題があるかを把握する
2. 把握した課題に応じた適切な対策を検討,実行する

というステップで考えることが必要です。

1. 初診と再診の把握

厚生労働省の「医療施設調査」1)から,診療科別の初診率の平均値を試算可能ですが,内科無床診療所においては約10%が平均初診率と見られます。その他診療科では整形外科も同じく約10%,皮膚科や小児科は20%超が平均値です(表1)。

今回の課題が発生している内科診療所の初診率推移を確認してみました(図1)。その結果,開院3年目を迎え初診率が5%程度に落ち込んでおり,平均値に比べると明らかに初診率が低くなっていることがわかりました。これは,新しい患者さんの獲得に課題があることが,仮説として有力です。再診患者さんは常に存在しているものの,回復・転居・転院など様々な理由で必ず一定の割合で離脱はあります。そのため,初診率の低下は患者数全体の減少に直結するため,早めの対策が必要となります。

初診対策の紹介の前に,患者さんの来院行動について,マーケティングの観点から基本的な考え方を知っておいて頂きたいと思います。

〈今回の数字〉
初診率 10%(内科)

初診は,小売業などの「新規顧客」と同等であり,継続的な成長のためには,新しい患者さん(または治療後に別の疾患で再び受診に来た患者さん)を一定数獲得し続けることが必要です。初診率の全国平均は約10%であり,この数字が,自院の初診率の水準を評価する1つの目安となります。

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