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レジオネラ症[私の治療]

No.5216 (2024年04月13日発行) P.43

宮下修行 (関西医科大学内科学第一講座呼吸器感染症・アレルギー科教授)

尾形 誠 (関西医科大学内科学第一講座呼吸器感染症・アレルギー科講師)

福田直樹 (関西医科大学内科学第一講座呼吸器感染症・アレルギー科)

登録日: 2024-04-11

最終更新日: 2024-04-09

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  • レジオネラ症には,レジオネラ肺炎と,肺炎に至らないインフルエンザ様の熱性疾患で自然治癒型のポンティアック熱(Pontiac fever)の2つの病型がある。レジオネラ症の年間報告数は,2002年まで100例前後を推移していたが,2003年4月に尿中抗原検出法が保険収載されて以降,年間報告数は右肩上がりに増加し,2018年以降は年間報告数が2000例を超えている。

    ▶診断のポイント

    レジオネラ症の診断に最も多く使用されているものは尿中抗原検出法であるが,遺伝子増幅法と比較すると感度が劣る。古典的ではあるが,βラクタム系薬やアミノ配糖体系薬を使用している症例で肺炎が進行,悪化してきた場合にはレジオネラ肺炎を疑う必要がある。また問診上,循環式浴槽の使用や旅行歴(温泉,海外旅行など)は,レジオネラ肺炎を疑う重要な手がかりとなる。

    レジオネラ肺炎を疑った場合には,喀痰塗抹・培養検査,尿中抗原検査や遺伝子診断法で確定診断を行う。ただし,確定診断のための検査を実施しても,すべての検査が陽性になるとは限らない。培養でレジオネラ属菌が検出されているのに血清抗体価の有意な上昇のない症例,尿中特異抗原が強陽性なのに培養も血清抗体価上昇も陰性の症例もある。これらの事象は,各検査法の価値をおとしめるものではないし,1つの検査法だけでは不十分であることを認識しなければならない。

    実地医家が検査法に求めるものは,迅速性と簡便性で,尿中抗原検査が最も汎用されている。レジオネラのLPS抗原を主な標的としている「BinaxNOWTMレジオネラ」は,Legionella pneumophila血清群1を対象とした検査で,その他のレジオネラ属や血清型には感度が低い。2019年に,L7/L12抗原を標的としL. pneumophila血清群1~15,L. dumoffii,L. bozemanaeを検出する尿中抗原検査が使用可能となった。

    WEBコンテンツ「レジオネラ感染症 総まとめ」

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