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関節が腫れて熱がある……①[化膿性膝関節炎][骨折ファーストタッチ ─decision makingのための骨折の考え方─(25)]

No.5216 (2024年04月13日発行) P.30

海透優太 (JCHO若狭高浜病院整形外科医長/臨床研修センター長)

登録日: 2024-04-15

最終更新日: 2024-04-10

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鑑別診断

▶関節が腫れて熱がある患者をみたときには,鑑別がつくまでは化膿性関節炎を疑いましょう。関節内注射の既往,関節リウマチ,人工関節,免疫不全〔ヒト免疫不全ウイルス(HIV),免疫抑制薬〕などが高リスクとされています。偽痛風は,単/少関節型のピロリン酸カルシウム結晶沈着症(CPPD)であり,比較的大きな関節(膝関節>足関節,肘関節,手関節)に好発します。

▶多関節型CPPDは偽リウマチと呼ばれ,全CPPDの10%とされています。痛風は末梢関節(特に母趾MTP関節)に好発で,局所症状が目立ちますが,全身症状として発熱することもあります。患者が「関節が腫れている」と訴えても,実は皮膚軟部組織が腫れていて蜂窩織炎の可能性もあるため,関節を含めた身体診察をしっかり行いましょう。

「関節が腫れて熱がある」⇒化膿性関節炎,CPPD(偽痛風・偽リウマチ),痛風,蜂窩織炎

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