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膝前十字靱帯断裂に対する手術の術式選択について

No.5234 (2024年08月17日発行) P.56

大内 洋 (亀田メディカルセンタースポーツ医学科主任部長)

中村智祐 (東京医科歯科大学大学院運動器外科学准教授)

登録日: 2024-08-19

最終更新日: 2024-08-14

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  • 膝の前十字靱帯断裂の手術で,再建靱帯のグラフトとしてハムストリング腱,膝蓋靱帯,大腿四頭筋腱はどのように使い分けるのがよいでしょうか。またsingle(一重束),double(二重束)の選択,さらに前外側靱帯(anterolateral ligament:ALL)追加の有無について,どういった考えで術式を選ぶべきでしょうか。
    東京医科歯科大学・中村智祐先生にご解説をお願いします。

    【質問者】大内 洋 亀田メディカルセンタースポーツ医学科主任部長


    【回答】

    【術者が慣れているグラフト,得意とする手法を選択すればよい】

    (1)グラフト選択

    筆者らの施設では,primaryの前十字靱帯断裂に対してはハムストリング腱が第1選択で,通常,薄筋腱は温存して半腱様筋腱のみを用いています。骨付き膝蓋腱は再再建術や複合靱帯損傷の際に使用することが多いですが,primaryであってもアメフトやラグビー,柔道などのコリジョンスポーツや,膝関節屈曲筋力が重要となるスポーツやバレエなどでは用いることもあります。大腿四頭筋腱は骨付きで使用していますが,再再建術などでグラフトの選択肢が少ない場合のほか,中高年女性などでニーリングの機会が多いと考えられる場合に,患者と相談の上で用いています。

    いずれのグラフトも一長一短があり,どれが正解かはケースバイケースです。スポーツレベルや競技特性,生活様式を含めた要望を勘案し,術者の考えを交えてグラフトを選択すればよいと考えます。

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