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組織風土づくり[クリニックで実践!人材採用のテクニック(3)]

No.5240 (2024年09月28日発行) P.58

溝口哲弘 (溝口ファミリークリニック院長)

登録日: 2024-09-25

最終更新日: 2024-09-24

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皆さん,こんにちは。このコラムを読んで頂きありがとうございます。

今回は組織風土に関するお話です。組織風土とは,ある企業や団体が持つ独自の空気感,倫理観,働き方の全体を示します。組織文化とも言われ,そこで働く人々の行動や意思決定,対外的な意思疎通にも影響を及ぼし,組織の独自性を形成する重要な要素です。この風土は,従業員が会社に対して持つ感情や,その場所で働く意欲に大きく関わっています。

それでは,よりよい組織風土を形成するためにはどうすればよいのか,それが人材採用にどのような影響を及ぼすのかを,具体的に見ていきましょう。今回のコラムを読んで,組織風土の意義や重要性についてご理解頂ければ幸いです。

組織風土はどうやって形成されるのか

クリニックは人数も少ないので,組織風土は院長の価値観,信念などに大きく影響されます。つまり,院長も含めたスタッフの日々の行動や決定を通じて組織風土が形成されていきます。組織風土は1つの物事だけで決まるというわけではなく,小さな積み重ねの結果なのです。

たとえば,スタッフの服装や髪型,髪の毛の色なども,組織風土を体現したものになります。小児科では子どもたちに楽しんでもらえるような服装をされていることも多いでしょうし,美容形成外科などは高級感のある服装が患者さんに好まれます。院長がネクタイ+白衣のようなきっちりとした医師像を好むクリニックでは,その好みがスタッフに影響を与えることも考えられます。

当院では,スタッフが勤務中に過ごしやすいように,クリニックのオリジナルTシャツと経血が気にならないような紺色のパンツを着用してもらっています。なぜそうしているのかという理由まで伝えておくことで,スタッフのことを気にかける組織であることが風土として定着していきます。

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