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褥瘡の新常識:創状態のアセスメント[〈プライマリ・ケア医が知っておくべき〉クイズで学ぶ 皮膚科診療の“新常識”(2)]

No.5240 (2024年09月28日発行) P.11

岡田克之 (桐生厚生総合病院副院長・皮膚科診療部長)

登録日: 2024-09-26

最終更新日: 2024-09-25

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Q


75歳,男性。慢性硬膜下血腫で自宅療養中,パーキンソン病による無動あり。日常生活自立度C1,仰臥位を好む。仙骨部から臀裂に褥瘡を生じた(図1)。圧すると痛みを訴え,熱感と硬結を触れる。
この褥瘡の創状態を改定DESIGN-R®2020で評価するとき,深さは以下のうちどれか。

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褥瘡に関するアセスメントには2種類ある。褥瘡を予防するという観点から発生前に危険因子を評価するリスクアセスメントと,発生した褥瘡を評価する創状態アセスメントである。それぞれに用いる代表的なツールを提示する。

リスクアセスメントツール

褥瘡発生の危険因子をチェックし,科学的根拠に基づいて褥瘡予防策に生かすリスクアセスメントツールが開発されている。

  • ブレーデンスケール:日本語版が活用されており,知覚の認知,皮膚の湿潤,活動性,可動性,栄養状態,摩擦とずれの評価項目でスコア化する。
  • OHスケール:日本人高齢者特有のリスクに基づいて作成された。自力体位変換能力,病的骨突出,浮腫,関節拘縮を評価することで,適切な体圧分散マットレスの選択に役立つ。
  • 褥瘡に関する危険因子評価票(厚生労働省):入院時に日常生活自立度がB・C(寝たきり)の場合や,J(生活自立)やA(準寝たきり)でも褥瘡危険因子があれば,この評価票による評価が必須である。OHスケールに皮膚湿潤,栄養状態低下,スキン-テア(skin tear,皮膚裂傷)の項目が加わっている。
  • 床ずれ危険度チェック表:在宅医療で重要な役割を担うケアマネジャーに向けて開発された。さらに,見出されたリスクへの対策,多職種との連携などが床ずれ予防プログラム1)に示されている。

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