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乳児の頭の変形の鑑別疾患や最近の治療法は?

No.5242 (2024年10月12日発行) P.53

大原博敏 (国際医療福祉大学三田病院形成外科部長)

彦坂 信 (国立成育医療研究センター形成外科診療部長)

登録日: 2024-10-09

最終更新日: 2024-10-08

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  • 最近,頭蓋形状誘導ヘルメットを使用している乳児を街中で見かけるようになりました。頭蓋変形には病的な変形と向き癖による変形もあると思いますが,診断や治療,頭蓋形状誘導ヘルメットの適応などについてご教示下さい。
    国立成育医療研究センター・彦坂 信先生にご解説をお願いします。

    【質問者】
    大原博敏 国際医療福祉大学三田病院形成外科部長


    【回答】

    【変形性斜頭症・短頭症では,重症例に対して頭蓋形状誘導ヘルメットが有効である】

    乳児の頭蓋変形のうち,病的なものの代表は頭蓋縫合早期癒合症です。頭蓋縫合が早期癒合することで成長が阻害され,発達への悪影響や頭蓋内圧亢進といったリスクのほか,頭蓋の変形をきたします。本疾患による頭蓋変形は手術以外では改善が得られません。

    病的ではない頭蓋変形の代表は,変形性斜頭症・短頭症です。外力による頭蓋変形と定義され,主たる原因は生後の向き癖です。

    変形性斜頭症・短頭症の診断においては,頭蓋縫合早期癒合症が重要な鑑別疾患になります。変形性斜頭症の重症度分類であるArgenta分類に合致した所見を認め,頭蓋縫合早期癒合症に特異的な所見を認めないことが鑑別点となります。そのため,変形性斜頭症・短頭症の診療には頭蓋縫合早期癒合症の知見や診療経験が欠かせません。

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