咽頭痛で医療機関を受診する場合,その大半は感染性の扁桃咽頭炎によるもので,原因の多くはウイルス性であるが,細菌性との鑑別は難しいことが多い。
抗菌薬治療の対象は細菌性感染であり,中でも重症化しやすいのはA群連鎖球菌である。
多くは外来で治療可能であるが,稀に膿瘍や喉頭蓋炎等,重篤な疾患の場合,入院治療を要する。
現病歴では,持続期間および重症度に注意して聴取する。随伴症状として鼻汁,咳嗽,嚥下困難,発声または呼吸困難の有無や,先行する感染症状(全身倦怠感や発熱)の有無を聴取・確認する。特に水分摂取の可否は,臨床上その後の治療方針にも関わるため必ず聴取する。
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