認知症患者の最新治療の普及に向け設立された「認知症治療研究会」(代表世話人=堀智勝新百合ヶ丘総合病院名誉院長)は1日、第1回学術集会を開催した。会合には河野和彦副代表(名古屋フォレストクリニック院長)が提唱する認知症の薬物療法「コウノメソッド」を実践する医師や看護師、介護福祉士など約450人が参加。認知症治療の問題点やコウノメソッドの実践例が報告された。
講演した医師やコメディカルからは、誤診や認知症治療薬・向精神薬の不適切な使用により症状が悪化している患者が少なくないとの指摘が相次いだ。こうした報告を受け、河野氏は「認知症治療には個別性が大事」と強調した上で、症状に応じた投薬の調整など臨機応変な対応が重要と訴えた。
同研究会は認知症領域で軽視されがちだった“治療”を研究する目的で設立。3年後をメドに学会組織を目指し、薬剤の適正処方などを提言していく方針だ。